∞(無限大)とは。
∞(無限大)は数学以外でも耳にしますが、その数学的な意味を考えます。
∞の定義。
∞はどんな数よりも大きな数と言うのが定義です。
厳密には「a = ∞」とは、
- 任意の x > 0 に対して、「a > x」となる数。
となります。
どんな数よりも大きい訳で、具体的な値はありません。
具体的な値があればそれより大きな数よりは小さくなり、定義に反するからです。
また、∞が二つあるとき、それらの間には大小関係はありません。
具体的な値が無いから大小関係云々を論じる事自体がナンセンスだと言えます。
つまり、「∞ = ∞」とはなりません。
このことは∞の計算を行う上で重要な考えです。
∞の計算。
∞の計算について考えてましょう。
- 以下、a≠∞とします。
∞の足し算。
∞には、-∞以外何を加えても∞です。
但し、∞に -∞を加える事は無意味です。
これは「∞-∞」となり、二つの∞には大小関係が無い、すなわちどちらが大きい分からないので計算出来ないからです。
- 引かれる数の方が大きければ差は正に、小さければ負になります。しかし、大小関係が不定ではどちらかさえ判らないという事です。
結局、以下のようになります。
- ∞ + a=a + ∞=∞
- ∞ + ∞=∞
- ∞+(-∞) は無意味。
∞の引き算。
∞からは、∞以外の何を差し引いても∞です。
逆に∞以外の値から∞を引くと-∞になります。
但し、∞から∞を引く事は無意味です。二つの∞には大小関係が無く、足し算のときと同様、計算できないからです。
結局、以下のようになります。
- ∞ - a=∞
- a - ∞=-∞
- ∞ - ∞ は無意味。
∞の割り算。
掛算より先に割算を考えます。
まず∞÷∞は無意味です。
これは二つの∞には大小関係が無いため、計算出来ないからです。
- 分母の方が大きければ商は1より小さく、小さければ大きくなります。しかし大小関係が不定ではどちらかさえ判らないということです。
次に1÷∞について。正確には分母が大きくなると0に近づくというのが正しいですが、∞を通常の数値と同じ扱いにした場合は商をズバリ 0とします。
こうすることで、a÷∞も a×(1÷∞) = a×0 =0となります。
逆に a>0 に対し、∞÷a = ∞となります。
また、 a<0 に対し、∞÷a = -∞となります。
但し、∞÷0は無意味です。
以上を纏めると以下のようになります。
- ∞÷a = ∞ (a>0)
- ∞÷a = -∞ (a<0)
- ∞÷0 は無意味。
- a÷∞ = 0
- ∞÷∞ は無意味。
∞の掛け算。
∞には、正なら何を掛けても∞ですし、負なら何を掛けても-∞です。
但し、∞に0を掛けるのは無意味です。
0=1÷∞であり、∞×0=∞×(1÷∞)=∞÷∞という無意味な式となるからです。
- 但し、ルベグ積分で用いられる測度の概念では便宜上「∞×0=0」と定義します。
以上を纏めると以下のようになります。
- ∞×a = ∞ (a>0)
- ∞×a = -∞ (a<0)
- ∞×0 は無意味(但し、測度論での議論に限り便宜上 ∞×0 = 0 とみなす)。