大垣夜行『ムーンライトながら』を廃止するなら…。

平成21年春のダイヤ改正での廃止が確実視されている決定した大垣夜行『ムーンライトながら』ですが、この列車のもう一つの機能に着目して廃止の際に運行会社がすべき事を挙げておきました。

採算が取れない『ムーンライトながら』。

平成21年 3月ダイヤ改正で、大垣夜行『ムーンライトながら』の廃止が確実視される事となりました決定致しました

  • これは平成20年 9月上旬の一部報道に拠るものですが、指定席データ準備の関係上最短でも半年前には決定していないと拙いので、恐らく既定事項と見なして問題ないでしょう。

廃止となる理由はやはり採算性でしょう。

青春18きっぷ・鉄道の日記念JR全線乗り放題きっぷ通用期間の場合。

青春18きっぷの通用期間は、殆どの乗客が青春18きっぷで乗車します。その結果、運行会社の東海鉄道にとっては、青春18きっぷ一日分の東海鉄道の取り分と指定席料金以上の運賃収入にはならない事となります

  • 平成19年に下りの日付変更駅を横浜から小田原に変更したのは、東日本が運賃収入を確保したかったからかも知れません。

青春18きっぷ一日分の旅客各社の取り分は、その計算方法が公開されていないので諸説がありますが、最も有力とされている各社の在来線営業キロに応じた配分と言う説を採れば、一日分辺りの東海鉄道の取り分はたったの約168円にしかなりません。

  • 約168円と言うのは青春18きっぷ一枚の売上げ11,500円から消費税と販売会社の利益( 5%)を差し引いた残りを平成20年10月 1日現在の在来線営業キロの比率で山分け、それを五等分した結果です。因みに東日本は766円(一日分)、西日本旅客は515円(同)が入ります

但し、上記の青春18きっぷでの収入はあくまでも一説に基いた推定なので、実際にはもっと多くなるかも知れませんし、もっと少ないかも知れません。

ですが、一日2,300円しかない切符を山分けする訳ですので、千円ももらえないであろう事は確かです。

因みに熱海-大垣間の運賃は5,250円です。

青春18きっぷ・鉄道の日記念JR全線乗り放題きっぷ通用期間外。

その他の期間は当然ながら多くの乗客が普通乗車券や周遊きっぷ等の割引されないか割引率の低い乗車券で乗車しますが、その数はお世辞にも多いとは言えません。

特に最近では東阪間及び東名間のバスが安くなっており、『ムーンライトながら』は却って高いと言う事で利用されない場合も少なくありません。

  • 最近では東阪間でも4,000円でお釣りが来るバスさえあります。

結論。

特に夜行列車は列車の運転に関る経費だけでなく、停車駅にも新たな人件費をもたらすため、採算性がなければ運行は困難でしょう。

それだけに、バスの低価格化は致命的だったのではないでしょう

  • 但し、バスにしても一段落したとは言え燃油費が暴騰した事で何時まで安くしていられるかは分かりませんが…。

『ムーンライトながら』のもう一つの機能。

以上のような理由から、制作者は大垣夜行『ムーンライトながら』の廃止は已むを得ないと思っております。

しかし、『ムーンライトながら』は単なる東名間の夜行列車ではありません。

名古屋地区では、上りは豊橋方面への最終(快速)列車としても機能しております
東海管内では、全席指定区間でも指定席券を買えば定期券で乗車出来ると言う特例が設けられており、この点から名古屋から豊橋方面への最終快速列車(大府以遠は本当の最終列車)として位置付けているのが分かります。
首都圏から三島・沼津方面への最終列車としても機能しておりました
過去形で書きましたが、小田原以遠の下り列車に自由席が設けられていた頃は、三島や沼津で多数の通勤客が下車するのを目撃しました。

新幹線定期で通勤する静岡県東部在住の通勤者にとって、『ムーンライトながら』は新幹線の最終便が出発した後の最後の列車として機能していたのです。

つまり、これらの機能を何らかの形で維持する必要があると考えます。

  • 但し、制作者はこれらを口実に『ムーンライトながら』を残すべきとは思っておりません。

どうしても『ムーンライトながら』を廃止するなら…。

そこで、大垣夜行『ムーンライトながら』をどうしても廃止すると言うのであれば、せめて以下の事を東日本・東海両社にやって欲しいと思っております。

現在の上り『ムーンライトながら』の名古屋から豊橋までのスジに、『ホームライナー』を設定する。
新列車は東京まで乗入れないため、ダイヤもより便利なものに調整出来る筈です。

車輌は可能なら従前通りの373系を充当します。三輌単位から利用出来るので、必要にして充分な座席が提供出来るでしょう。

尚、大垣-名古屋間の同列車のスジは快速列車に転用すれば良いでしょう。

現在の東海道線下り951M(東京23時43分発・小田原25時01分着)を沼津まで延長する
このとき、延長区間は現在の下り『ムーンライトながら』のスジを踏襲すれば良いでしょう。

ただ、この列車にはE217系11輌編成が流用されているそうで、その場合小田原以遠は明らかに過剰なので、直通しない代わりに東海から313系を乗入れて小田原で乗継にすると言うのも考えられます。

これに依り、遠距離通勤客の最後の足が復活する事となります。

追記。