鉄道サーヴィス案いろいろ

5. グリーン車はもう要らない。(平成18年 6月21日 更新)

グリーン車が要らない理由。(平成17年 9月29日)

現在、JRでは旧二等車であるグリーン車と、三等車だった普通車の二等級制になっておりますが、もはやグリーン車は不要と思われます

かつて、国鉄時代には一等車から三等車まで、しっかりと車内施設とサーヴィスに差が付いておりました。

その後、二等級制になってからも、しっかり差別化されていたからこそ高い料金でもそれなりに利用されてきました。

しかし、最近では普通車の施設も充実しており、グリーン車との差も縮まってきております。

  • この傾向は国鉄が分割民営化されなくてもあった筈です。

現に、九州新幹線『つばめ』や山陽新幹線『ひかりレールスター』はモノクラスですが、指定席車は四列シートとなっており、グリーン車と遜色ありません。

一方、グリーン車ですが、本当に料金取るに値する列車は『リレーつばめ』『サンダーバード』『あさぎり』など数えるくらいしかありません。

『ゆふいんの森』『はこだてエクスプレス』に至っては、モノクラスでありながら中途半端なグリーン車より豪華な施設であります。

東日本ではJR宇都宮線や東海道線などでグリーン車を連結しておりますが、東海だったら373系の普通車程度の座席です。

せいぜい指定席扱いがいいところでしょう。

これらの事から、もはやグリーン車は要らないと思われます。

制作者の考察。

高崎線経由の特別急行(185系前橋車)では、普通車全席自由席・グリーン車のみ指定席となっている列車が多いです。

そのグリーン車にしても何度か乗りましたが、特別料金を取るに値するかどうか疑問でした(普通車でも…)。

  • それも普通車指定席が無い列車で確実に座りたいためだけに申し込んだら、制作者以外誰も乗っていないという有様でした。

東日本が一部列車を除いてグリーン料金キャンペーンを行なっているのは、サーヴィス面での差別化が難しくなった事に依るものでは無いかと思われます。

  • 航空会社ではファーストクラスを廃止して、代わりにビジネスクラスでファーストクラス並みのサーヴィスを提供するところが増えております。ビジネスクラスの最大二倍くらいの運賃に見合ったサーヴィスの維持が困難だからでしょう。

それでも『成田エクスプレス』の二列グリーン車みたいに、かつてのマイテ49一等車の現代版のような座席だと(両方乗った事があります。マイテ49は当時の日本人の体型に合わせているので窮屈でしたが)、逆に一等車(クイ253)にしてもいいのではと言う気もしますが、そんな車輌は寧ろ例外中の例外でしょう。

  • 『スーパービュー踊り子』は普通車も相当豪華なものなので、グリーン車のありがたみは殆どありません。『踊り子』に至っては、普通車でも料金がもったいないくらいです。

いずれにしても、座席車のグリーン車はもう要らないでしょう。

  • 寝台車はA寝台とB寝台ではしっかり施設もサーヴィスも異なるので、現状通りでいいでしょう。個人的には『北斗星』や『カシオペア』などの"S寝台"はA寝台の上位にカテゴライズしても良さそうに思いますが。

具体的なグリーン車廃止案。(平成17年11月 9日)

具体的な案を頂きました。

特別急行の四列グリーン車はもはやグリーン車に値しません。
シートピッチを拡げても限界があります。

いっそ、普通車指定席にして、従来の指定席車は自由席にしてしまうべきです。

急行以下のグリーン車は全廃してよいでしょう。
快速の指定席車は300円ないし510円の指定料金を取るので、必ずリクライニングシートにします。

名古屋鉄道は特急の指定席車(特別車)では、μ料金(指定席料金)を徴収する代わりに時代に合わせて快適なシートを用意しております。これはJRも見習うべきものでしょう。

  • μ料金不要の自由席車(一般車)を連結しない路線があるのは問題ですが…。
特別急行型でも、料金を取るのに不適切なものは快速に転用すべきです。
具体的には東日本の185系や東海の373系が挙げられます。
  • 東日本185系は通勤列車と特別急行の相の子と言う中途半端な車輌です。
  • 東海の373系は元来185系で運行されていた急行列車(『東海』『富士川』『伊那路』)の置換え用で、383系に較べるとどうしても手抜き感があります。

これらはもはや特別急行の名に相応しい車輌ではないので、快速列車用に格下げすべきです。

参考・ムーンライトながらには185系を!
随分前(平成15年)に書いた拙著ですが、185系の待遇はこの程度で充分だと思います。また、大量に増備されているので、青春18きっぷシーズンには威力を発揮するでしょう。

制作者の感想。

この記事を書いていて思いましたが、JRは特別急行向けの車輌に関する姿勢が一貫していないような気がします。

ターゲットとなる路線ごとに需要が異なるのはまだ分るものの、品質が一定水準に満たないものもあり、料金を取るためだけの車輌も少なくありません。

本来、特別急行は字の通り特別な急行列車だった筈です。

料金取る快速列車ではなかった筈です。

余りいい言い方ではありませんが、JRはこの程度なら料金払ってくれるだろうと乗客を甘く見ているのではないでしょうか。

  • 蛇足ですが北近畿タンゴ鉄道宮福線には簡易とは言え三列リクライニングシートの普通列車(MF100/200系)が充当されております。新幹線普通車のちょっと背もたれが動くだけで大してリクライニングしない座席より快適でした。

グリーン車廃止案へ頂いた追記。(平成17年11月19日)

国鉄時代の特別急行とJR時代の特急。

国鉄時代は、特急型車輌は特別急行に相応しいものばかりでした。

名車・485系は当時主流だった急行列車がみんな大型クロスシートだった時代に、向きの変えられる転換シートを導入し、当時としては「特別急行」の名に恥じないグレードだったと言えます。

その後、リクライニングシートに改装され、後発の特急型車輌もその目的に相応しい内容を維持してきました。

昭和50年代には、中京地区や京阪神の新快速に117系が投入されましたが、この117系はご承知の通り通勤列車でありながら転換シートを採用しておりました。

並行民鉄というライヴァルを抱えるエリアと言う事情もあるのでしょうが、今までなら特別急行用の施設を普通列車用車輌に投入したのです。

JRになってからは会社ごとに考え方が変わってきましたが、特に東日本のグレードに関する考え方は相対的に落ちていると思われます。

東海道線では相変わらず113系が主力ですし、特別急行でさえ転換シート車や簡易リクライニングシート車を何年も使い続けたりと、より良い座席を提供しようと言う意思が余り感じられません。

東海や西日本は『雷鳥』や『しなの』では内装をアップグレード(簡易リクライニングシートから角度のついたリクライニングシートに変えるなど)して特別急行らしいグレードを維持してきておりますし、その後の新造車もそれなりのものを作っております。

制作者のコメント。

首都圏ではそれ程やる気を感じない東日本ですが、東北地方の急行『陸中』『よねしろ』では現代の急行列車に相応しい座席をと言う事で、

  • 『陸中』にはリクライニングシートの新造車・キハ110系 0番代
  • 『よねしろ』にはキハ58系のリクライニング改造車

をそれぞれ投入してきました。いずれも中途半端な特別急行にも負けない内装でした。

  • 現在はどちらも廃止されて当該車輌は内装そのままで同じスジを引継ぐ快速に使い廻されており、ちょっとした乗り得列車となっております。

一方、東海の急行『かすが』は快速『みえ』と同じ転換シート(キハ75系は急行型か?)、西日本の『つやま』『みよし』に至っては時代錯誤も甚だしいクロスシートです。

その一方で首都圏の特別急行や東日本の新幹線では平成14年まで転換シートの185系があったり、新幹線E1系/E4系さえも転換シートを採用するなど、どう見ても料金を取るに相応しくない車輌が多々あります。

なぜ首都圏の特別急行で東北地方の急行のような発想が出来ないのでしょうか。

安易に特別料金を取れない時代が来る!?

北近畿タンゴ鉄道宮福線に限らず、会津鉄道会津線でも元名鉄・キハ8500系を快速列車に充当しております。

このキハ8500は元々"名鉄版キハ85系"(JR直通特急『北アルプス』用なのでキハ85系と互換性がある)であり、現在でも非電化特急に利用されてもおかしくない車輌です。

にも拘らず特急料金を徴収しないのは、特別料金を取るとただでさえ少ない客に更に逃げられてしまうと言うのもあるのでしょうが、だったら普通列車用の車輌を譲り受ければいいだけの話し。

もしかしたら、会津鉄道自身が将来リクライニングシート如きで特別料金を取れない時代が来ると読んでいるのではないでしょうか。

ちなみに欧州では高速鉄道でも特急料金を課さず、施設に料金を払うという発想に近いとの事で、自由席だと特急でも運賃だけで乗れる列車も多いそうです。

そのうち、東海や西日本は新快速にリクライニングシートを投入してくる時代が来るかも知れません。

そうなったら特別急行も安易に料金が取れなくなるでしょう。

勿論、一定以上の距離になったら料金を課すとかのような形で残るかも知れませんし、或いは自由席は運賃のみ、指定席は指定席料金を距離に応じて上げる事で対応するというのもアリかも知れません。

新幹線と特別急行のグリーン車は"スーパーシート"に改称を。(平成18年 6月21日)

何度も書いておりますが、現在のグリーン車はいろいろな意味で名前にそぐわないものになっております。

そこで、新幹線と特別急行でグリーン車を残すにしても、日本の国内航空みたいに"スーパーシート"と改称すべきでしょう。

  • 制作者も一度、外国人に「緑じゃないのに何でグリーン車なんだ?」と真面目に聞かれた事があります。
    • 昔は455系や165系の急行などで窓の下に緑の帯を引いていたようです。恐らく昔の等級を表す白帯・青帯・赤帯の名残でしょう。
  • それほど普通席と差別化されていない今は亡き日本エアシステムの「レインボーシート」や日本航空の「クラスJ」みたいな感じかとも思います。とにかく、上級クラスの座席と呼ぶには余りにも相応しくない事は確かでしょう。

参考記事。

グリーン車へのパワーシート導入案(新幹線サーヴィス案いろいろ)
グリーン車の価値を向上させる自動座席の導入案です。これくらいしないと、特別料金も最早取れないのでは無いでしょうか。