携帯電話向け着信音の配信を行うには。
携帯電話には着信音(いわゆる着メロ)の機能があります。
着信音配信は携帯電話向けコンテンツとしてはかなり人気があるようです。
- 但し、実際に着信音を配信するコンテンツを作る場合には、予め日本音楽著作権協会に届け出て著作権使用料を支払わなければなりません。
着信音に関して言えば、現行の端末の殆どがヤマハのサウンドLSIを搭載している事と、データフォーマットがある程度統一されている事から、単純な着信音なら比較的簡単に複数キャリアに対応出来ます。
- ソフトバンクでは独自のデータフォーマットもあります。
- ドコモはデータの形式と扱い方が異なるため、他のキャリアとの互換性がありません。また、ウェブで試聴出来るようにするためのHTMLの記述方法はありません。
警告・著作権のある楽曲を着信音にして配信するには、正規の手続きが必要です!
近年、ウェブで携帯電話向けの着信音の配信を行った個人が著作権法違反容疑で検挙されております。
第三者が著作権を持つ楽曲を着信音に編集して配信する場合、営利の有無に関係なく日本音楽著作権協会に正規の手続きを執ったうえで所定の著作権使用料を支払う必要があります。
- 申し上げるまでもありませんが、当サイトの技術情報をもとに着信音配信サイトを作成され、その結果法的な問題が生じたとしても、制作者は一切関知致し兼ねます。
- 最近は何を以って著作権侵害行為の幇助に問われるか分かったものではないので、制作者には著作権侵害行為を幇助する意思が無い事を表明する意味で、以上の点について強く警告した次第です。
着信音に関する技術的なお話し。
まず、着信音の音源データの技術的なお話として、音源データの形式について簡単に解説しておきます。
SMF・データフォーマットとしてのMIDI。
データフォーマットとしてのMIDIはSMFと呼ばれ、音のデータと言うより電子楽譜のようなものとなります。
MPEGなどと違って音そのものをエンコーディングするのではなく、音の高さや長さなど譜面で表せるデータを取扱うため、MPEGなどと較べて遙かに小さなデータとなります。
但し、以下のような欠点もあります。
- 譜面で現せない音声や効果音などは表現出来ません。通信カラオケなどではバックコーラスや特殊な効果音は別途録音した音声を圧縮・配信して演奏時に合成します。
- また、演奏の質は再生する端末に依存する事になります。
各キャリアごとの着信音の扱い。(平成19年 7月 8日 訂正)
着信音の扱いもまた、キャリアごとに依って大きく異なります。
ドコモ端末向けの着信音。
ドコモでは、MLD形式と呼ばれる独自のファイルフォーマットを用いております。
また、通常のウェブページから着信音を再生する機能は無いため、試聴出来るようにするには専用のiアプリが必要になります。
配信するには、以下の条件を満たした上で、配信したいデータを<a>要素でリンクします。
- 拡張子が「.mld」となっている事
- 配信時にMIMEタイプが「application/x-mld」となる事
どちらか片方が満たされない場合、一部端末で着信音データと認識されない場合があります。
EZウェブ端末向けの着信音。(平成19年 7月 8日 訂正)
EZウェブでは、SMAFとQcelpが利用出来ます。
後者は録音した音声をサンプリングしてデータ化したものです。
SMAFと違って、Qcelpのデータは録音した音声そのものなので、SMAFで表現出来ない音声や効果音も問題無く再生出来ます。
逆にSMAFと違ってQcelpはデータ量が膨大になるため、端末に依っては五秒くらいしか扱えないようです。
Qcelpはいわゆる着うたなどに利用されます。
EZウェブ向けコンテンツで着信音を試聴出来るようにするためには、
のいずれかを用いる事でウェブページ上で再生させる事が出来ます。
- <bgsound>要素については参考事項・<bgsound>要素についてをご覧下さい。
尚、どちらの場合もMIMEタイプとして、
- SMAFは application/x-smaf
- Qcelpはaudio/vnd.qcelp
を与える必要があります。
- 他の端末との互換性を考えると、<bgsound>要素を用いた方が良いでしょう。
勿論、<a>要素で当該データにリンクすれば、ダウンロードも可能です。
ソフトバンク端末向けの着信音。
ソフトバンク旧型機及び801シリーズではSMDと呼ばれる独自仕様の楽曲データを扱う事も出来ますが、このフォーマットは第三世代機では利用出来ません。
一方、801シリーズを除く第三世代機では原則としてSMFつまりMIDIに対応しております。
- 対応しているSMFのフォーマットは 0及び 1となります。
SMAFも一部を除く全端末で取扱う事が出来ます。
- SMAFが扱えない在来端末は、JPEG画像も表示出来ない非パケット・ステーション非対応機、すなわち初期端末のみです。
- 平成19年 6月16日現在、SMAFが扱えない第三世代端末はモトローラ製端末とノキア製端末のみです。
- 尚、ソフトバンク端末でSMAFに対応しているか否かを判定するには、HTTP要求ヘッダにx-jphone-smafフィールドが与えられているか否かで判断出来ます。与えられていない場合には SMAF 非対応です。
一方、ウェブページでの扱いとしては、以下のようになります。
- 共通の注意事項
- 配信するコンテンツには、以下の拡張子とMIMEタイプを付けるようにします。
- CGIなどで対応フォーマットを峻別する場合には旧型機にはリダイレクトで当該拡張子を与えられた静的なURIに転送します。
- SMD形式
- 拡張子は
.smd、MIMEタイプは audio/x-smd。 - SMAF形式
- 拡張子は
.mmf、MIMEタイプは application/x-smaf。 - MIDI
- 拡張子は
.midi、MIMEタイプは audio/midi。
- ウェブページ上で再生
- ウェブページ上で試聴出来るようにするには、<bgsound>要素で再生します。
- 詳細は参考事項・<bgsound>要素についてをご覧下さい。
尚、実際に記述する場合、上述の通り端末に依って対応しているフォーマットが異なるため、何らかの振り分けが必要でしょう。
- ダウンロード
- <a>要素でリンクします。
但し、上述の通り端末に依って対応しているフォーマットが異なるため、何らかの振り分けが必要でしょう。
ウィルコム端末向けの着信音。
ウィルコムでは、フィール H"以来フィールサウンドと呼ばれる独自のフォーマットを採用しておりますが、エアーエッジフォン以降のPHS端末ではSMFつまりMIDIにも対応しております。
- 最新のPHS端末で一部フィールサウンドの機能が制限されるものがあるようですので、今後はSMFにした方が良いかも知れません。
- 対応しているSMFのフォーマットは 0及び 1となります。
ウェブページ上での再生はドコモ以外の携帯電話キャリア同様<bgsound>要素にて行います。
また、ウェブページから配信する場合には<a>要素でリンクします。
実際に音源を作るには。
実際に音源を作るには、MLDであれ、SMAFであれ、SMFであれ、元となるMIDIデータが必要です。
MIDIデータはミュージックシーケンサと呼ばれる音楽ソフトで作成する事が出来ます。
また、PCでは標準となっているオーディオフォーマットであるWAVフォーマットのデータを代わりに使う事も出来ます。
- 第三者が著作権を持つ音源を利用する場合には、必ず日本音楽著作権協会にて正規の手続きを執ってからご利用下さい!
必要な音源を作成したら、それを以下のツールを用いて変換します。
- MIDIまたはWAVからSMAFデータを得るツール群
- SMAFデータはここでダウンロード出来るツールを利用して変換します。
- 一部マッキントッシュ対応のソフトウェアもありますが、基本的にウィンドウズ専用です。
- SMAFまたはWAVからMLDデータを得るツール群
- MLDデータはここでダウンロード出来るツールを利用して変換します。
尚、ヤマハ製のサウンドLSIは日電製の端末にのみ搭載されているようで、このページでも日電製端末専用のように書かれておりますが、MLDデータはMIDI同様電子楽譜データですので、他社製端末でも再生は可能です。
- 尚、MIDIからの直接変換するツールは用意されていないようですので、一度SMAFデータに変換してから上記のツールでMLDに変換すると良いでしょう。
- 全ツールがウィンドウズ対応です。尚、平成19年 6月16日現在、ウィンドウズヴィスタには非対応との事です。
- この他にも非公式の変換ツールがWWWで公開されているようです。
参考・ツールの撰び方とサウンドLSIのヴァージョンについて。
一部「MA-○」の○の部分の数字が異なるツールが複数ありますが、これは対応しているヤマハ製LSIのヴァージョンを表しております。
一般にヤマハの携帯電話用サウンドLSIは後方互換性に配慮しており、従って数字の大きなLSI(ヴァージョン番号の大きいLSI=後発のLSI)は数字の小さなLSI向けの音源も再生出来るようになっております(一部不具合あり)。
参考までに平成19年 6月16日現在のLSIのヴァージョンと対応について書いておきます。
- MA-1
- 四和音、すなわち一度に最大四つの音を出せます。
- MA-2
- 十六和音、すなわち一度に最大十六の音を出せます。
また、これに加えて動画・テロップ・サンプリング音声を付ける事も出来ます。これはカラオケ機能を実現するためのものでしょう。
- MA-3
- 四十和音、すなわち一度に最大四十の音を出せます。
勿論、動画やテロップにも対応しております。
- MA-5
- 六十四和音、すなわち一度に最大六十四の音を出せます。
勿論、動画やテロップにも対応しております。
- MA-7
- 百二十八和音、すなわち一度に最大百二十八の音を出せます。
勿論、動画やテロップにも対応しております。
更に、三次元などの特殊効果にも対応しております。
尚、ソフトバンクのSMAF対応端末(旧型機では初期機種以外、第三世代機ではモトローラ・ノキア製以外)では、HTTP要求ヘッダのx-jphone-smafフィールドにある最初の数字で一度に鳴らせる音の数が分かります。
結論・着信音配信サイトを全キャリア対応にするには。(平成19年 7月 8日 訂正)
用意すべき着信音の音源データ。
残念ながら、一本の音源データだけで全てのキャリアに対応する事は出来ません。
結局、以下のように最低でも三種類の音源データを用意する必要があります。
- MLDファイル(拡張子:
.mld・MIMEタイプ:application/x-mld) - ドコモ専用の着信音データファイルです。
- SMAFファイル(拡張子:
.mmf・MIMEタイプ:application/x-smaf) -
- EZウェブ
- ソフトバンク
共用の着信音データファイルです。
- ソフトバンクの初期端末及びモトローラ製またはノキア製の第三世代機では再生出来ません。
- SMFファイル(拡張子:
.midi・MIMEタイプ:audio/midi) -
- ソフトバンク第三世代機
- ウィルコム
共用の着信音データファイルです。
- PCでも再生出来ます。
- ウィルコム端末及びモトローラ製またはノキア製の第三世代ソフトバンク機に対応しないのであれば、SMFファイルは不要でしょうが、ノキア製の第三世代ソフトバンク機は意外に使われているようですので、対応した方が良いかも知れません。
ウェブ上での音源の公開。(平成19年 7月 8日 訂正)
残念な事に、ドコモ端末ではウェブページから音楽を演奏するための機構が用意されておらず、試聴にも専用のiアプリが必要になります。
その他のキャリアに関しては<bgsound>要素が使えるため、HTML文書の一本化は出来ますが、元の音源が異なる場合があるため、CGIなどで端末に合わせて対応出来る音源にリダイレクトするようにすると良いでしょう。
- 第三者が著作権を持つ音源を元にした着信音を公開する場合には、必ず日本音楽著作権協会にて正規の手続きを執ってから公開して下さい!
- 音源を端末ごとに振り分けるスクリプト自体は非常に単純ですが、著作権侵害幇助行為と断定されたら破滅あるのみですので当分サンプルCGIは作りません。
ウェブからの音源の配信。
ウェブからの音源を配信するページは全キャリア共通に出来ない事もありません。
単純に<a>要素でリンクするだけだからです。
但し、取得すべきデータがキャリアに依って異なるため、静的なURIをリンク先にするのは拙いでしょう。
端末によって音源を振分けるCGIを用意して、動的に配信すると良いでしょう。
- この場合、ドコモ端末及びソフトバンク旧型機に対してはターゲットとなる音源ファイルへのURIにリダイレクトしてやる必要があります。
- 第三者が著作権を持つ音源を元にした着信音を配信する場合には、必ず日本音楽著作権協会にて正規の手続きを執ってから配信して下さい!
- 音源を端末ごとに振り分けるスクリプト自体は非常に単純ですが、著作権侵害幇助行為と断定されたら破滅あるのみですので当分サンプルCGIは作りません。