携帯電話には着信音(いわゆる着メロ)の機能があります。
着信音配信は携帯電話向けコンテンツとしてはかなり人気があるようです。
着信音に関して言えば、現行の端末の殆どがヤマハのサウンドLSIを搭載している事と、データフォーマットがある程度統一されている事から、単純な着信音なら比較的簡単に複数キャリアに対応出来ます。
各キャリアごとの着信音の扱い (平成19年 7月 8日 訂正)
結論・着信音配信サイトを全キャリア対応にするには (平成19年 7月 8日 訂正)
近年、ウェブで携帯電話向けの着信音の配信を行った個人が著作権法違反容疑で検挙されております。
第三者が著作権を持つ楽曲を着信音に編集して配信する場合、営利の有無に関係なく日本音楽著作権協会に正規の手続きを執ったうえで所定の著作権使用料を支払う必要があります。
まず、着信音の音源データの技術的なお話として、音源データの形式について簡単に解説しておきます。
MIDIとは、コンピュータで電子楽器を演奏するためのデータ通信に於ける一連のプロトコル(約束事)です。
この規格は昭和56年に日本楽器(現ヤマハ)など六社に依って定められ、今日では通信カラオケや携帯電話の着信音などあらゆる場面で利用されております。
データフォーマットとしてのMIDIはSMFと呼ばれ、音のデータと言うより電子楽譜のようなものとなります。
MPEGなどと違って音そのものをエンコーディングするのではなく、音の高さや長さなど譜面で表せるデータを取扱うため、MPEGなどと較べて遙かに小さなデータとなります。
但し、以下のような欠点もあります。
携帯電話の場合、現在では殆どの端末にヤマハ製のサウンドLSIが搭載され、それを制御するためにMIDIから特化されたプロトコルが利用されます。
この携帯電話専用のプロトコルをSMAFと言います。
SMAFは携帯電話上で演奏する音源データの事実上の標準規格となっておりますが、以下の端末ではサポートされておりません。
着信音の扱いもまた、キャリアごとに依って大きく異なります。
ドコモでは、MLD形式と呼ばれる独自のファイルフォーマットを用いております。
また、通常のウェブページから着信音を再生する機能は無いため、試聴出来るようにするには専用のiアプリが必要になります。
配信するには、以下の条件を満たした上で、配信したいデータを<a>要素でリンクします。
どちらか片方が満たされない場合、一部端末で着信音データと認識されない場合があります。
EZウェブでは、SMAFとQcelpが利用出来ます。
後者は録音した音声をサンプリングしてデータ化したものです。
SMAFと違って、Qcelpのデータは録音した音声そのものなので、SMAFで表現出来ない音声や効果音も問題無く再生出来ます。
逆にSMAFと違ってQcelpはデータ量が膨大になるため、端末に依っては五秒くらいしか扱えないようです。
Qcelpはいわゆる着うたなどに利用されます。
EZウェブ向けコンテンツで着信音を試聴出来るようにするためには、
のいずれかを用いる事でウェブページ上で再生させる事が出来ます。
尚、どちらの場合もMIMEタイプとして、
を与える必要があります。
勿論、<a>要素で当該データにリンクすれば、ダウンロードも可能です。
ソフトバンク旧型機及び801シリーズではSMDと呼ばれる独自仕様の楽曲データを扱う事も出来ますが、このフォーマットは第三世代機では利用出来ません。
一方、801シリーズを除く第三世代機では原則としてSMFつまりMIDIに対応しております。
SMAFも一部を除く全端末で取扱う事が出来ます。
一方、ウェブページでの扱いとしては、以下のようになります。
配信するコンテンツには、以下の拡張子とMIMEタイプを付けるようにします。
.smd、MIMEタイプは audio/x-smd。.mmf、MIMEタイプは application/x-smaf。.midi、MIMEタイプは audio/midi。ウェブページ上で試聴出来るようにするには、<bgsound>要素で再生します。
尚、実際に記述する場合、上述の通り端末に依って対応しているフォーマットが異なるため、何らかの振り分けが必要でしょう。
<a>要素でリンクします。
但し、上述の通り端末に依って対応しているフォーマットが異なるため、何らかの振り分けが必要でしょう。
ウィルコムでは、フィール H"以来フィールサウンドと呼ばれる独自のフォーマットを採用しておりますが、エアーエッジフォン以降のPHS端末ではSMFつまりMIDIにも対応しております。
ウェブページ上での再生はドコモ以外の携帯電話キャリア同様<bgsound>要素にて行います。
また、ウェブページから配信する場合には<a>要素でリンクします。
実際に音源を作るには、MLDであれ、SMAFであれ、SMFであれ、元となるMIDIデータが必要です。
MIDIデータはミュージックシーケンサと呼ばれる音楽ソフトで作成する事が出来ます。
また、PCでは標準となっているオーディオフォーマットであるWAVフォーマットのデータを代わりに使う事も出来ます。
必要な音源を作成したら、それを以下のツールを用いて変換します。
SMAFデータはここでダウンロード出来るツールを利用して変換します。
MLDデータはここでダウンロード出来るツールを利用して変換します。
尚、ヤマハ製のサウンドLSIは日電製の端末にのみ搭載されているようで、このページでも日電製端末専用のように書かれておりますが、MLDデータはMIDI同様電子楽譜データですので、他社製端末でも再生は可能です。
一部「MA-○」の○の部分の数字が異なるツールが複数ありますが、これは対応しているヤマハ製LSIのヴァージョンを表しております。
一般にヤマハの携帯電話用サウンドLSIは後方互換性に配慮しており、従って数字の大きなLSI(ヴァージョン番号の大きいLSI=後発のLSI)は数字の小さなLSI向けの音源も再生出来るようになっております(一部不具合あり)。
参考までに平成19年 6月16日現在のLSIのヴァージョンと対応について書いておきます。
十六和音、すなわち一度に最大十六の音を出せます。
また、これに加えて動画・テロップ・サンプリング音声を付ける事も出来ます。これはカラオケ機能を実現するためのものでしょう。
四十和音、すなわち一度に最大四十の音を出せます。
勿論、動画やテロップにも対応しております。
六十四和音、すなわち一度に最大六十四の音を出せます。
勿論、動画やテロップにも対応しております。
百二十八和音、すなわち一度に最大百二十八の音を出せます。
勿論、動画やテロップにも対応しております。
更に、三次元などの特殊効果にも対応しております。
尚、ソフトバンクのSMAF対応端末(旧型機では初期機種以外、第三世代機ではモトローラ・ノキア製以外)では、HTTP要求ヘッダのx-jphone-smafフィールドにある最初の数字で一度に鳴らせる音の数が分かります。
残念ながら、一本の音源データだけで全てのキャリアに対応する事は出来ません。
結局、以下のように最低でも三種類の音源データを用意する必要があります。
.mld・MIMEタイプ:application/x-mld).mmf・MIMEタイプ:application/x-smaf)共用の着信音データファイルです。
.midi・MIMEタイプ:audio/midi)共用の着信音データファイルです。
残念な事に、ドコモ端末ではウェブページから音楽を演奏するための機構が用意されておらず、試聴にも専用のiアプリが必要になります。
その他のキャリアに関しては<bgsound>要素が使えるため、HTML文書の一本化は出来ますが、元の音源が異なる場合があるため、CGIなどで端末に合わせて対応出来る音源にリダイレクトするようにすると良いでしょう。
ウェブからの音源を配信するページは全キャリア共通に出来ない事もありません。
単純に<a>要素でリンクするだけだからです。
但し、取得すべきデータがキャリアに依って異なるため、静的なURIをリンク先にするのは拙いでしょう。
端末によって音源を振分けるCGIを用意して、動的に配信すると良いでしょう。